簡単にいうと、田んぼのあぜに薄いプラスチックのシートをはって水漏れを防ぐというもので、昔は同じことを鍬であぜつけ(練った泥を畦に塗ること)、そして現在一般的なのは畦波シートでやります。
別にそんなものなくても大丈夫じゃないのと言う人もおられるかと思いますが、除草剤を使用せずに稲を作る場合には、草を抑えるために初期の深水が不可欠ということで、これには水の漏れないあぜが非常に大事なのです。ひたひた程度の水ならば大丈夫な場合でも水深10cm近くともなると、水の重みの影響もあるのか、どんどん水がぬけていきます。そんなわけでうちではひたすら田んぼに水を入れ続けていたのですが、水不足の年はそんな贅沢はできないし、漏れた排水による肥料流出なんかも気になるところです。
いや、畦付けをきちんとすれば漏れない!とも思えるのですが、鍬での作業はものすごく大変な上に、慣れないし下手なのでうまくできない。つまり漏れます。その上モグラが畦に穴を掘ります。つまり漏れます。
それで普通は畦波シートの出番なのですが、こいつがやっかいなのは、設置作業と、それからぼろになったときの除去作業およびゴミ処理です。結構厚めのプラスチックのシートなので耐用年数も数年ほどありそうですが、草刈機でひっかけたり、トラクターでひっかけたりするとすぐ破れて壊れてしまい、しかも補修して設置しなおすのも大変です。また余計な石油製品を浪費して再利用の難しい(ほぼ不可能な)ゴミを生産しているという精神的な重荷もあります。
そこでトラクターにとりつける畦塗機という機械を持っている人に頼んで畦付けをやってもらおうかとも思ったのですが、1mあたり100円だったかどうか確かではないですが、ちょっと迷ってしまうような条件のものらしいということもあり、うだうだやってるうちに田植え間近となってしまいました。
それでまあ結局は畦波シートかなと思いつつも、上に書いたような理由で使用を躊躇していたところ、山崎さんが畦マルチというものを使ったらどうかと言うので使ってみたというわけです。
感想は...
まだ田植えもしていないので耐久性などはなんとも言えませんが、設置はすんごい楽!大きなディスクとプラスチックシートのロールのついた道具(スプレッダー)を畦にそって押していくとシートの下部が埋設されて、これをマルチおさえか土などで畦にそって抑えるだけです。スプレッダー自体も非常に単純な作りで、手で簡単に運べて、すべて手動でできます。なにかと高価な機械が必要な近代農業において(いえ、高価な機械は持ってませんが)こういう道具はありがたいです。水漏れもなく(プラスチックなので当たり前ですが)、まずは満足。
これを8月の中干し頃にとりのぞきます。
取り除くときはまだ水がある状態なので、除去作業は比較的楽そう。基本的に一年間しか使わないけれど、非常に薄いシートなので、資源浪費やゴミ問題に関しても畦波シートと比べるとだいぶよさそうです。
ここでふと思いつきました。トウモロコシからできた生分解性マルチというやつです。基本的に最初の数ヶ月もってくれれば十分な用途なので、こいつを使えば除去の必要なし!しかもゴミもなし!
来年はこれにしようかな?
というわけで畦マルチを張ったのですが、肝心の田植えは木曜日になりそうです。
なにやら予報では雨ですが、山陽放送のボイスの放送が木曜日なので、金曜以降となると多くのお客さんが押しかけてくることが予想され、田んぼの中で動物園のパンダ状態になるのはイヤなので、なんとかそれ前には終わらせたいと思っていたので、なんとかぎりぎりできそうです。