雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
慾ハナク
決シテ瞋ラズ
イツモシヅカニワラツテイル
一日ニ玄米四合ト
味噌ト少シノ野菜ヲタベ
アラユルコトヲ
ジブンヲカンジョウニ入レズニ
ヨクミキキシワカリ
ソシテワスレズ
野原ノ松ノ林ノ蔭ノ
小サナ萱ブキ小屋ニイテ
東ニ病気ノ子供アレバ
行ツテ看病シテヤリ
西ニ疲レタ母アレバ
行ツテソノ稲ノ束ヲ負ヒ
南ニ死ニソウナ人アレバ
行ツテコハガラナクテモイヽトイヒ
北ニケンクワヤソシヨウガアレバ
ツマラナイカラヤメロトイヒ
ヒデリノトキハナミダヲナガシ
サムサノナツハオロオロアルキ
ミンナニデクノボートヨバレ
ホメラレモセズ
クニモサレズ
サウイウモノニ
ワタシハナリタイ
実際読んでみると果たして商売人がかかげるものとしてはいささか微妙
な点もありますが、多くの人の心を打つ詩であることは間違いないで
しょう。質素で謙虚で無私無欲あることが美徳とされる精神というの
は、必ずしも常に質素な生活をしていなくとも、謙虚でいられないとき
があっても、あれもこれも欲しくても、他人のためだけに尽くせなくて
も、心のどこかに持っているだけでも価値がある。そういう気持ちが最
後の「ワタシハナリタイ」に凝縮されていて、本当に何とも言えない気
分にさせてくれます。これこれこうあるべきであるという聖書の教えの
ようなものとは違って、戒めのようでありながら実は非常に人間的で
あって、救いがある、楽にさせてくれるところが、また好きだったりし
ます。
...でも実際店やってる人がデクノボーと呼ばれてたらお話にならな
いんですよね。